日常を“みやげ”として持っていく

日常を“みやげ”として持っていく

「人と楽しく、ほがらかに生きる」習慣をひとつずつ紹介していきます。今回は「“みやげ”を持っていく」ことについて。

2022/2/19

こんにちは。「プレスラボ」という、東京にある編集プロダクションの経営をしながら、編集者としても活動している池田園子(Twitter:@sonokoikeda)です。
▼前回記事(31本目)はこちらから
「楽しく、ほがらかに生きる」という大テーマで、私が実践している「人と接するときの習慣=人と楽しく、ほがらかに生きる習慣」習慣を一つひとつ紹介しています。
7個目の習慣は「“みやげ”を持っていく」です。

話題という“みやげ”をシェアする

“みやげ”といっても、それはモノとは限りません。もちろん、タイミングによっては、手みやげとしてモノを持っていくこともあります。
ただ、今回の話でいう“みやげ”はトピック、話題のこと。私と会って話をすることで、相手に何か気づきや発見、新たな興味関心の出現などがあればいいなと思っているからです。
そこまで大袈裟でなくても、楽しんでもらうために「へえ〜」「そんなのあるの?」「知らなかった」などのリアクションが引き出せるようなネタを用意していきます。
といっても、ネタの仕込みに並々ならぬ情熱を注いでいるわけではなく、日常生活のなかで自分が気になる、夢中になっていることをシェアするくらいです。

相手の興味関心分野で話を広げる

例えば、今日はとある方と3年ぶりくらいに再会を果たし、町中華でランチをご一緒しました。
その方は、私が引越しに際して本を手放すとSNSで告知したとき、「欲しいです」と連絡をくださり、最寄り駅まで来てくださったのです。本の受け渡しを「移住前に私と会っておくきっかけ」にしてくれたのだと思います。
映像関係の仕事をしていて、本もよく読まれている方なので、話が自然と映像方面に流れていってからは、「最近Netflixでどんな作品を観てます?」と自然な振りを。
相手の視聴歴を引き出しつつ、私は私で相手がまだ着手できていなさそうな作品を紹介しました。今日「面白い」とお伝えしたのは『金魚妻』と『ボイス』『秘密の森』『愛の不時着』あたりです。

読んだ本を入り口にする

話が教育や貧困関連の社会課題に及んだときは、日本の貧困について思うことや最近読んで印象に残った本『シングルマザー、その後』の話をしました。
『シングルマザー、その後』はとても興味深く、多くの人に手にとってほしいと思える一冊でした。
女性の貧困は男女雇用機会均等法施行時から始まっていたとする根拠、貧困から抜け出せずに次世代へも連鎖していくのを断ち切るため、女性の平均賃金を上げて働きやすくするための提言などのほか、いくつもの事例を通じてシングルマザーの困窮具合が伝えられています。
そんな情報をシェアすることで、映像の仕事をしているその人にも、私の興味関心分野が刺さって、いつか本書を思い出して著者を起用したり、番組で貧困を取り上げたりと、何か化学反応が起きればいいなという意図もありました。

自分の「あたりまえ」が相手の「刺激」になる

あまりにも膨大な情報があふれるこの世界で、自分ではごくナチュラルに知っていることや吸い上げていること、追いかけていることは、他の人にとっては「まったく知らない」ものである可能性もあります。
だからこそ、自分のなかの「あたりまえ」が、相手には何らかの刺激として、いい意味で刺さることもあるわけです。
そう考えると、私たちは誰かと会う前に、その人にシェアできる“みやげ”を日々着々と溜めているはず。
受け取ってどう調理するかは相手次第です。たいていは「こんなの持ってきました」と出してみると喜ばれ、話が展開していくので、相手の琴線に触れそうなものがあれば、出してみるといいと思います。
また来週お会いしましょう。お読みいただき、ありがとうございました!

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