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「楽しく、ほがらかに生きる」という大テーマで、私が実践している「人と接するときの習慣=人と楽しく、ほがらかに生きる習慣」習慣を一つひとつ紹介しています。
8個目の習慣は「否定せず、受け取る」です。
「絶対に否定しないよね」
「他人を否定しないぞ」と意識的に振る舞っているわけではありませんが、なんらかの音声メディアで私が他者と話しているのを聞いた人から「池田さんは(相手を)絶対に否定しないよね」と言われたことが何度かあります。
こちらとしては、「むしろ、あからさまに相手を否定する人っている?」という感覚なので、否定しないことに着目されると驚いたものです。
ただ、思い返してみると、「さり気ない否定」は日常に潜んでいるのかもしれない、とも考えるようになりました。
私にも思い当たることがあります。以前お付き合いしていた人の口ぐせが「否定はしないけど〜」だったなあと。
日常に潜む否定の言葉
彼は会話のなかでたびたび「その子さんの、その考え方、僕は否定はしないけど〜」と言っていたのです。
「否定はしない」の6文字だけで見ると、肯定するつもりなのかなと思えますが、そのあとに逆説が付いていて、結局は否定につながっていました。
わかりやすい否定というよりも、言外に「それはどうなの? と僕は思う」といった、ゆるやかな否定や非難、疑問が含まれていたと思います。
「あっ、結局は否定してるじゃん(笑)」としばらくしてから気づいたのですが、否定が日常に溶け込んでいるのを悟った出来事でした。
否定に違和感をおぼえる理由
否定というのは、相手の考えなり主張なり、相手のアウトプットを「よくない」「違う」と押さえつけることと言ってもいいと思います。
でも、「これぞ!」という正解のない物事が多いなか、あえて否定することに違和感をおぼえます。そもそも正解とは、自分で作っていくものだから。
自分の考えや思い、選択、積み重ねていることを、自らの手で正解にしていくしかないのです。だから否定だけではなく、全面的な肯定すらもしづらいと感じています。
「へえ、そういう考えもあるね」と受け取ることしかできない。人の話を聞きながら、考え方や生き方の事例を見て知る感覚です。
「受け取る」の徹底で、会話が気持ちよく流れていく
相手の話をとりあえず受け取っていると、会話が川のように自然と流れていきます。相手がどんどん話してくれるようになるのです。
多くの人は否定されることを望んでいません。私もそのひとりです。否定されるのは気持ちいいことではないですからね。
だからといって100%肯定しなくてもいいのですが、ひとまず否定の言葉や感情は謹んで、話を受け取ることだけに集中する——。これだけで心地よい空間が成立すると思います。
最後に、先日好評だった友人・青木真也さんとの音声をはっておきます。確かに否定はしていない、でも上手く受け取れているのか……疑問な部分もありますが(笑)。
後編はこちら。
また来週お会いしましょう。お読みいただき、ありがとうございました!