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「楽しく、ほがらかに生きる」という大テーマで、私が実践している「消費者としての習慣」を一つひとつ紹介しています。
3つ目の習慣は「会話で空気をやわらかくする」です。
歓迎されてない感の正体
先日、近くのコーヒー店に立ち寄りました。主にコーヒー豆を販売する店ですが、テイクアウトもしています。
数日前に店の前を通りがかり、テイクアウトの看板を見かけて、今度コーヒーを飲みに来ようと決めていました。
「こんにちは〜」と声をかけて店内に入ると、男性店主の姿がありました。マスクを着けながら私を一瞥し、その視線からは「歓迎されてない感」をおぼえました。
「あれ? なんで?」と思い、ふと周りを見ると、店の扉自体は開いていたものの、テイクアウト情報を記載した看板は店内にあったのです。
店主の笑顔を引き出す
まだテイクアウトできる時間ではなかったのかもしれないし、看板を出し忘れているだけかもしれない。そう考えたものの、NOとも言われていないわけで、「テイクアウトお願いします♪」と元気に伝えました。
「ちょっと時間かかりますけど、いいですか?」と、一向に表情を変えない店主。「はい、いいです」と私。10種類近くあるコーヒー豆の説明書きを読んで、オーダーします。
10分近く待った頃、紙カップに入ったコーヒーが出されました。ただ、ここでお金を払っておしまい、とはしません。
幸いなことに、他のお客さんもいないので、店主と1分くらい話をして笑顔を引き出してみようと思ったのです。
会話で心と空気をやわらかくする
支払いを終えて、ありがとうございますと伝えた後、「この前、この道を通ったとき、今度来てみたいと思っていたんです」と一言。店主の表情が少しやわらかくなります。
「今日寄れて良かったです」「近所に住み始めたので、今度自分のマグカップを持ってテイクアウトに立ち寄ってもいいですか?」
そう聞くと「大丈夫ですよ。どんな形でも対応します」と笑顔を見せる店主。この時点で、「よし、初期段階で心開けたぞ」とニヤリとしていると、店主がスタンプカードを渡してくれました。
おそらく、ここまで会話をしなければ、店主の笑顔も見られなければ、リピート客として見込まれることもなかったでしょう。ただの「早めに入ってきた客」になっていたと思います。
買う側・売る側が楽しい気持ちになればいい
私のこの行動は、店主に気に入られること、店主と距離を縮めることを目的としているわけではありません。
では、何を目指しているかというと、せっかく縁あって入った店で、モノやサービスを売る・買う側双方が楽しい時間を一瞬でも過ごすことです。
多くの人にとって「買う」という消費行動は日常です。欠くことはできない行動のひとつ。毎日のようにどこかで何かを買っているはず。
その中で、「ありがとうございます」「ごちそうさまです」以外のちょっとした会話をすることで、笑顔が生まれ、楽しい気持ちになると思います。
「興味」を会話に織り交ぜる
その後もいいエピソードができたので、最後に書くことにします。ランチが11時オープンのお店に、11時15分くらいに入りました。
当然入店してもいいわけですが、この時間帯に客が来ることを予期していなかったのか、まだ準備中だった様子の店主は無愛想。
詳しくは書きませんが「せめて11時半過ぎに来てよ」と言われているような感覚になりました。こちらとしては「オープンしているから私は悪くない」と思っているので気にしません。
前菜についていた豆料理をいただき、それが美味しかったので「マスター、これなんて豆ですか?」と空気を読まずに笑顔で質問(私はあえて空気を無視して、無邪気っぽく振る舞って、その場に漂う重たさを壊しにいく傾向があります)。
すると「レンズ豆ですね。オレンジ系のが多いので、わかりづらいかもしれませんが」と少し笑顔を見せるマスター。「緑のって珍しいですね」と私。「ええ」と100%笑顔になっていたマスターでした。
この会話のおかげで、会計のときもお互い笑顔でやりとりしたのでした。相手に(店や商品に)興味を持っていることが伝わると、いい雰囲気になるものだなと感じます。
また来週お会いしましょう。お読みいただき、ありがとうございました!